
2月28日に東北電子専門学校で開催される東北ゲームアワード2026。2回目の開催となるイベントについてお聞きしました。学生主体で運営したイベントの成り立ちなどについてお聞きしました。
――東北ゲームアワード2026開催のきっかけを教えてください。
元々、仙台市が主導していたグローバルラボ仙台というコンソーシアムがあり、仙台でのIT・ゲームの産業振興に取り組んでいました。
その取り組みの一環として「DA-TE APPs!」という仙台・東北の学生向けのゲームコンテストを毎年開催していて、ピコラも創業当時から協力していました。グローバルラボ仙台は10年の節目で活動を終えることになり、DA-TE APPs!も2024年に完結しました。
ただ、その事業がきっかけとなり仙台・東北の専門学校と、仙台のゲーム企業の定期会合などが開かれるようになり、そちらは現在も継続しています。
その中で、学生の技術向上や競争の場としてコンテストはかなり有効だよね、続けていきたいよね、となり「東北ゲームアワード」と形を変えて開催することとなりました。
今回は、昨年の東北ゲームアワード2025に引き続いての第二回となります。

――学生主導ということですが、どういったことをしているのでしょう。
第一回は試しに仙台市のゲーム関連会社の業界団体「仙台ゲームコート」が主催し、それぞれの会社のスタッフが運営に携わりましたが、日々の開発業務と並行して準備するコストが高く、そのまま継続して行うのは厳しいという結論に至りました。
今回の学生主導は改善の一環で、運営主体を学生にして関わる人をさらに増やすことで、運営にかかる負担を減らし継続できる形を作れないか?という取り組みとなります。コンテンツの検討、どなたをゲストとして呼ぶか、イベント当日に向けた準備や当日の運営、SNS運用やゲストと学生の懇親会なども含めて、学生主体で検討して動いてもらっています。
――ピコラ社はどのようにかかわっているのですか。
学生主導のイベントではありますが、すべてを学生におまかせというのは難しいので、出てきた内容の相談に乗る、アイディアを詳細に詰めていくタイミングで考慮されていない部分を指摘するなど、全体のアドバイザーとして動いています。
また、金銭が絡む部分、ゲストとの折衝など、学生だけでは難しい箇所の手助けをしています。
――準備はいつくらいから始めましたか。
昨年の9月に募集をはじめ、10月に学生運営スタッフと初顔合わせをして、そこから開催に向けた準備がスタートしました。
――開催に当たり苦労したことはありますか。
運営チーム発足当初は、学生スタッフ側に温度感を伝えきれておらず「手伝いだから、何か言われた時に動けばいいんでしょ?」という状態でした。
その後、何度も話し合いを重ね、自由に形を変えていいならどんなコンテストがいい?、どんなゲストを呼んで何を聞きたい?、理想的なイベントってどんな形?といった、土台の部分から積み上げていき、学生スタッフが「本当に自分たちで決めていいんだ」と実感した辺りで火がつき、どんどん意見が出るようになって軌道に乗っていきました。
――東北の学校以外にも参加している学生はいますか。
東北ゲームアワードと名が付く通り、参加できるのは東北の学生のみと明確に定めています。
東北でゲーム開発を学ぶ学生が、首都圏や全国区の優秀な学生と渡り合える人材に育ってほしいというのが大元であり根幹なので、今後もその方針は変えずに続けていければと思っています。

――ゲーム系や情報系の専門学校以外にも参加している学校はありますか。
先生方にもフォローで動いていただけるよう、前述の学校会合に参加されているゲーム系の専門学校の生徒に運営スタッフをお願いしています。
ゲーム系の学生以外だと、Youtube Liveでの配信部分を東北電子さんの映像放送科の皆さんにご協力をお願いしております。
今後もイベントの運営に必要なところは、ゲーム学科以外の学生さんにもご協力をお願いできればと考えています。
――審査も学生がしたのでしょうか
公平を期すため、一次審査は仙台市のゲーム業界団体、仙台ゲームコートのスタッフの投票で行いました。
学生スタッフの中にもイベントの企画と並行してゲームを開発し、審査に応募してきた方がたくさんいて、意気込みや熱量の高さを感じました。
――どんな点を見て選びましたか
一次審査の段階でクオリティが高い作品はもちろん文句なしで通過になります。
ただ、それ以外にも一次審査の1月に合否とともにフィードバックを送っており、そのフィードバックを参考にゲームをブラッシュアップしてくれればもっと面白くなりそう、さらによくなりそう、という基準で選考しています。
本戦は実際にお客様に遊んでもらうコンテストなので、全チームDiscordに参加してもらい、開発で悩むことがあれば送ってもらって、さらに具体的なフィードバックをもらえるということも行っております。
ゲームの改善に貪欲なチームが優勝できるという形になっていけばなと思っています。
また、フィードバックは合否に関わらず全チームに送っているので、惜しくも落選となったチームもブラッシュアップしてもらえれば就活などで役立てられるようにしております。

――このインタビューをご覧の皆さんに一言お願いします。
東京ゲームショウなどに参加すると、仙台でゲーム開発してるの?という驚きの声をよくいただきます。それだけ仙台・東北でのゲーム開発の規模が小さいということもありますが、目立たないだけで実はいろいろな取り組みをしています。
かつてのDA-TE APPs!から巣立っていった優秀な学生たちが、今はゲームクリエイターとして一線で働いている話もよく聞くようになってきました。
そんな東北育ちのゲームクリエイターの中に、将来的に地元の仙台・東北でゲーム開発で一旗あげようという人が現れ、東北を盛り上げていってほしいと願っています。
東北ゲームアワードは短期的には仙台・東北の学生のレベルを上げるイベントですが、実はそういったかなり気の長い取り組みでもあります。
たとえば料理や建築がその土地その土地の風土の影響をうけて多彩な進化を遂げたように、ゲームもまた住む土地が開発者たちに影響を与え、より多彩なゲームが生まれていくはずです。
また、生成AIがゲームを作れるようになっていく時代に、そういった土着の、ローカルならではの面白さも差別化を生みだすポイントの1つになっていくのではと思っています。
今はまだまだ小さな取り組みですが、ゲーム業界をより豊かにする一助になればと思います。今後もご注目いただければ幸いです。
――ありがとうございました。

東北ゲームアワード2026
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